今回は「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」という絵本を子供たちに読み聞かせた感想を綴った、夫からの寄稿です。
読み聞かせ中の子供たちの感想や反応、夫が四苦八苦しながら子供たちに理解できるように読み聞かせている様子を書いています。
本当の幸せの意味を考えさせられる絵本です。
夫が5才の長男に読み聞かせたら、意外と理解をして幸せの意味をわかっていたことにびっくりしたそうです。
不定期シリーズ くみんぼ夫の投稿
絵本『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』を5才の息子(と2才の息子)に読み聞かせてみました。
子供が幸せって何かを考えてくれたらいいなと思います。
絵本『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』とは
同絵本はちょっと前に話題になった、リオの国際会議で喝采を浴びたウルグアイ(元)大統領の名スピーチを子供向けに分かりやすく絵本にしたものです。
人間の本当の豊かさとは何か?お金?高級品に囲まれた生活?いやいや、豊かさ・幸せの本質はそんなことではないのではないか・・・を説いた内容です。
質素で超庶民的な生活をする(元)大統領がこのような内容の演説をする姿に心を打たれた人も多いと思います。私もその一人です。
国際会議の場でありながら非常に内容が分かりやすいのです。
絵本『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』を子供へ読み聞かせ
ミーハーなところもある、くみんぼ夫は出張先の本屋で話題の絵本を調達。
購入当初は子供に読み聞かせることはあまり想定していませんでした。
どちらかというと時々欲深い妻に・・・
なんとなく、寝る前の時間にせっかく買ったのだから読ませてみよう、、と思い立ちました。
絵本の内容自体は大人にとっては、特に読書の苦手なくみんぼ夫にも非常に分かりやすい内容。
しかしながら、5才の子供には随分難しい内容・・・環境問題にも及んだ内容はまともに読んでもほとんど理解できないのではないか、、、
いっそ、冴えないアドリブで思い切って分かりやすい内容に変換して読ませてみよう。
と思い立ちました。
以下は、絵本の内容の
『大意』はなるべく変えずに、
『細かい言い回し』については、大幅に内容簡素化かつ子供が分かりやすい内容にすり替えて読み聞かせた、息子とのやり取りの記録です。
ちなみに表現は恐ろしいものも含まれていますが、絵本自体の絵は怖くありません。
絵本『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』対象年齢
対象年齢は小学校中学年からです。
簡単な漢字は翻訳の漢字のフリガナのルビがされていないので、自分で読むのは小学生からでないと読めなさそう。
今回のように夫など大人が読み聞かせるのであれば、幼稚園からでもOKではないかなと思いました。
絵本『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』読み聞かせ内容
≪(元)大統領が国際会議の場で各国首脳を前に演説をする絵≫
≪いろんな人々の頭の中が開いて、そこからその人たちが欲しいもの(家、パソコン、車、バイク、おしゃれな服、美味しそうな料理、お酒、スマホなどなど)が出てきている、人間の欲求を示した絵≫
≪たくさんのインドの人たちが、道一面にびっしりと車を走らせ、大量の排気ガスを吐き出している絵≫
≪身なりのいい先進国の人達が目を$マークにさせて、作業着姿の途上国の人たちが工場で過酷労働をさせられているのを上から見ている絵≫
~安い労働力で大量生産し、利益を得ようとしていることを表現~
≪大量のお札を抱えている人、散ったお金をつかもうと周りの見えていない人、中にはお金を抱えたまま高いところから落ちてしまう人、その姿を怪訝そうに見る、中年男性、お年寄り、子供 の絵≫
≪宇宙に浮かぶ地球 と その隣に地球より少し小さい大きさで描かれた胎内にいる赤ちゃんの絵≫
≪サラリーマン風の人が、お金を作る機械仕掛けを一生懸命動かしている 後ろには、その人の大きさぐらいある怪獣?の手がその人をつかもうとしている絵≫
☆★『電球が切れて落ちていく 地面には大量の切れた電球が山のように溢れている その電球の山の中から人の手だけが助けを呼ぶように伸びている絵』★☆
~長持ちする電球を使えばいいのに、たくさん売るために、作っては捨て、作っては捨てを繰り返すことが果たして正しい文明なのか?ということを訴えるページ~
このページ、なんとか伝えようとしたものの、アドリブ冴えず、うまく説明できず・・・
次男は、助けを求める手を指さしています。
長男がくみんぼ夫に聞くも適切な言葉が見つからない。
くみんぼ夫は苦し紛れに
と返答。
長男あんまりピンと来ていない反応。
しかしながら、このページが長男も次男も印象に残った模様。
その後
≪ごみの山にたたずむ賢者の姿の絵≫
≪マンハッタンを思わすような都会の夜景の絵≫
が続きますが、絵と内容と子供の理解のバランスが合いそうになく、またもやアドリブ利かず、はしょり。
≪自然豊かな牧場に多くの牛たちが放牧されている絵≫
~元大統領の国にいる多くの牛は、国の生活を豊かにするために一役かっている、ということを表現~
≪(人の頭が割れて欲しいものが出てきていたページと同じ)欲しいものをたくさん山のように背中に抱えながら、顔は疲弊しつくしている初老男性の絵≫
と次のページには
≪決して大金持ちには見えないけど、牧場の横で赤ちゃんや野菜、子豚を抱えながら笑顔でたたずむ家族の絵≫
≪拍手喝采を浴びて演説を終わる大統領の絵≫
総括
細かい内容まで伝えきれないのは仕方のないことですが、長男はこの絵本の伝えたい大意、特に『幸せの意味』について理解しているようで、読み聞かせながら、時折胸が熱くなりました。
最初はちゃんと理解するんかいなぁ、と思いながらでしたが。
大人が思っている以上に子供の感受性は豊かなんですね。
むしろ子供の純粋さは時々大人が忘れてしまっていたそれを思い出させてくれる気がします。
余談
その1
『貧乏とは少ししか持っていないことではなく、無限に欲があり、いくらあっても満足しないこと』
という絵本内の有名なフレーズがあるのですが、
ということを理解している長男に
と悟られてしまってはいけないので、本フレーズには触れないように読み聞かせをさせていただきました…。
その2
寝室に入ってからこんなやりとりがありました。
あのページが一番印象に残っていると思った所以です。
電球が切れる前に準備しておかないと、絵のように電球に埋もれてしまうと思ったのでしょうか(笑)
絵本『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』は一時期話題になりましたが、未来を担う子供に「本当の幸せってなんだろう?」と考えてもらうきっかけになり、おすすめです。